分子軌道計算を利用した長鎖塩基のフラグメンテーションの解析

岸根秀樹 ・ 林  陽

近畿大学理工学部化学教室
〒577 東大阪市小若江3-4-1

(Received : November 13, 1996 ; Accepted for publication : December 18, 1996)

 スフィンゴ脂質の構成成分である長鎖塩基のトリメチルシリル(TMS)誘導体の EI/MS分析において検出され、分子量の決定に必要な [M-15(CH3)]+と[M-15-90(TMSOH)]+のイオンについて、MOPACのAM1法を用いて分子軌道(MO)計算により、そのフラグメンテーションを予測した。その結果、[M-15]+のイオンは1位の第一級アルコールに結合した TMS基からメチルラジカルが脱離して環状構造をつくり、ついで TMSOHが脱離して [M-15-90]+のイオンが生成すると推測された。またベースピークである m/z 132([H2NCHCH2OTMS]+)のイオンについてもMO計算を行い、イオン構造を推定した。

Keywords: Long-chain base, Trimethylsilyl(TMS) derivatives, GC/MS, Fragmentation, Molecular orbital calculation.


Abstract in English

Text in Japanese


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