半経験的分子軌道法によるベンゼン-一置換ベンゼン間相互作用のエンタルピーの計算.GLPCで求めた実験値との関係

遠藤 忠a*, 飯田 貴広a, 古谷 暢英a, 山田 由美子b, 伊藤 眞人b

a青山学院大学理工学部化学科 〒157-8572 東京都世田谷区千歳台6-16-1
b創価大学工学部生物工学科 〒192-8577 東京都八王子市丹木町1-236

(Received: September 21, 1998 ; Accepted for publication: January 18, 1999 ; Published on Web: May 19, 1999)

 半経験的分子軌道法を用いて、ベンゼン2量体およびベンゼン(PhH)-モノ置換ベンゼン(PhX)対の生成熱を計算することにより、ベンゼン-モノ置換ベンゼン間相互作用のエンタルピーを求めた。ベンゼン2量体の場合について、計算法、初期の分子間距離(rI)などを検討した。PM3法で求めた相互作用エンタルピーと最適化後の配置は、これまでの実験値および計算値と矛盾しない。PhH-PhX系の初期配置としては、1ケの平行(P)と4ケの垂直配置(VrVpVmおよびVb)(Figure 1)を選んだ。VpあるいはVm配置の場合には(この配置では、PhXの置換基Xに対してパラあるいはメタ位にあるH原子がPhH分子の重心の真上に存在する)、計算から求めたPhH-PhX間相互作用エンタルピー(DDHf)は、GLPCから求めた実験値(DDHt)と良い相関関係を示し(Figure 5)、相関係数(r)は0.94(rI = 2.75 Å)になった。この相関式から求めたDDHtと実験値DDHtとの差は、約0.1 kcal mol-1以下であった。他の配置の場合には(Vp配置を除くと)、DDHfDDHtとの間に相関関係は認められなかった。

キーワード: Intermolecular interaction, Aromatic-aromatic interaction, Benzene-monosubstituted benzene, MOPAC93, Relationship between calculated and experimental interaction enthalpies


Abstract in English

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