Dock4.0を用いた非ステロイド性抗炎症剤のCOX1およびCOX2に対する結合モードに関する研究

赤穂 栄一a*, 藤川 智香子a, Howell I. RUNIONb, Craig R. HILLb, 中野 英彦c

a神戸学院大学薬学部 〒651-2180 神戸市西区伊川谷町有瀬518
*e-mail:
bSchool of Pharmacy, University of the Pacific, Stockton, CA 95211 USA
c姫路工業大学工学部応用化学科 〒671-2201 姫路市書写2167

(Received: May 6, 1999 ; Accepted for publication: June 8, 1999 ; Published on Web: August 6, 1999)

 COX1の酵素活性に影響を与えることなくCOX2 を選択的に阻害する薬物が理想的な非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)であるといわれている。そこで、Dock4.0を用いて、NSAIDのCOX1とCOX2に対する阻害モードの研究を水素結合と結合エネルギーの点から試みた。COX2に選択性の有るNSAIDの阻害モードは、R.S. Spangler (Seminars in Arthritis and Rheumatism, 26, 435-446 (1996)の報告しているin vitroのパターンと類似していることがわかった。従って、Dock4.0と報告されているin vitro研究の結果の間にはかなり良い相関性があるといえる。COX1の阻害モードに関しては1種類が類似、他の1種類が類似せず、3番目は中間であったnabumetone, meclofenamate, niflumic acid, indomethacin, sulindac, および flurbiprofenのごときNSAIDがCOX2に結合する場合、1から3種類(延べ少なくとも12種類)の水素結合が存在することがわかった。 このような水素結合の形成に関与するアミノ酸残基は、phe A518, Arg A120, Tyr A385, His A90, および Tyr A355 であった。Phe A518, およびHis A90 はすでにR. G. Kurumbail et al. (Nature, 384, 644-648 (1996)) によって報告されているが、それ以外のアミノ酸残基についてはいまだ報告されていなくCOX2と阻害剤の結合様式は想像以上に複雑であるといえる。

キーワード: Computer Docking, Computer Drug Design, Cyclooxygenase, COX, Nonsteroidal Anti-inflammatory Drug


Abstract in English

Text in English

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