パーセプトロン型ニューラルネットワークと多次元Ck級補間法を用いた樹脂被覆肥料の溶出誘導時間および80%溶出時間の推定
― 分子の構造活性相関解析のためのニューラルネットワークシミュレータ: Neco(NEural network simulator for structure-activity COrrelation of molecules)の開発(5) ―

福田 朋子a,b, 田島 澄恵c, 斎藤 久登d, 長嶋 雲兵e*, 細矢 治夫c, 青山 智夫f

a日本女子大学家政学部生活芸術学科, 〒112-8681文京区目白台2-8-1
b(株)ベストシステムズ, 〒305-0035つくば市松代4丁目15-2-1-204
cお茶の水女子大学人間文化研究科, 〒112-8610文京区大塚2-1-1
d三菱化学黒崎事業所技術開発センター, 〒806-0004北九州市八幡西区黒崎
e産業技術融合領域研究所, 〒305-8562つくば市東 1-1-4
f宮崎大学工学部, 〒889-2192宮崎市学園木花台西1-1
*e-mail:

(Received: September 19, 2000; Accepted for publication: December 6, 2000; Published on Web: January 31, 2001)

  被覆肥料の溶出誘導時間と80%溶出時間の見積もり時間を短縮するために、皮膜の近赤外反射スペクトルの高速フーリエ変換による1/f揺らぎ解析をもとに、パーセプトロン型ニューラルネットワークおよび多次元Ck級補間法を用いて溶出誘導時間および80%溶出時間を見積もった。その結果、パーセプトロンニューラルネットワークを用いると約10%程度の誤差で溶出誘導時間および80%溶出時間を見積もることができることがわかった。実測値と計算値の相関は回帰直線の傾きが0.9であり切片も小さい。相関係数も0.7程度で、実用上問題のない精度で予測が可能であることが判った。
  他方Ck級補間法は、ニューラルネットワークに比べ若干推定精度が悪く、実測値と計算値の相関も悪くなるが、実用的な誤差範囲に入っていることが判った。
  これらの方法は、近赤外反射スペクトルの測定からフーリエ変換、溶出誘導時間および80%溶出時間の計算時間まで実時間にして10分程度の時間しか必要としないので、樹脂被覆肥料の溶出誘導時間と80%溶出時間の見積もり時間を大幅に短縮できる可能性があることがわかった。

キーワード: Polymer-Coated Manure, Elution Induce Time, 80% Elution Time, Property Estimation, Neural Network, Multi-dimensional Ck Interpolation Scheme, 1/f Fluctuation


Abstract in English

Text in Japanese

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