演 題 インターネット教育システムにおける学生の学習状況把握機能の構築
発表者
(所属)
○鎌田祐生紀、田中宏明、矢野敬幸(一橋大学)
連絡先 〒186-8601 東京都国立市中2-1 一橋大学
TEL: 042-580-8930 FAX:042-580-8965 
E-mail:
キーワード 教育支援システム、インターネット、PostgreSQL、Perl
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
インターネット教育システムの一方通行性の改善のため、教師側が学習者側の学習状況を常に把握できるようにした
環 境 適応機種名 UNIX対応マシン
O S 名 サーバ゛:Solaris クライアント:インターネットを利用できるOS
ソース言語 Perl, SQL, HTML
周辺機器  
流通形態
  • 化学ソフトウェア学会の無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス,出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他:インターネットで公開
具体的方法

 

1.緒言
 コンピュータを利用した教育システム(CAI)はインターネットを利用するシステムへと発展しつつある。しかしながらインターネットは本来、双方向性をその特徴の一つとしているにもかかわらず、その上に構築されている教育システムは教える側から教えられる側への一方通行になりがちであるというCAI以来の欠点を未だに引きずっている。本報告は、教育システムを利用して学習しようとする受講者の学習状況を、教える側がより的確に把握出来るような装置を構築することによって欠点の克服を図ろうとするものである。

2.概要
 インターネット教材への受講者のアクセスログは全てサーバーに記録されているので、それを解析することで、利用する受講者の学習状況や進度を教師は的確に管理したり把握できるようになる。こうして獲得した学習状況の把握は、個々の学生へのインターネットを通じた個別的な指示やアドバイスをも可能にする。さらには教材やシステム自体の改善を促すし講義に反映することもできる。この様に学習状況を的確に把握することは、講義補助としての教育システムにとってはとても大切である。
 しかし受講学生が多くなってきたりすると、処理すべきアクセスログデータが膨大になり、今まで我々が利用していたCommon Gateway Interface(CGI)では時間がかかりすぎたり不安定になるなどの欠点があった。
 本報告の要点は、規模が大きくなり得るアクセスログデータを自動的に格納し、かつそれらのデータに対する様々な解析を高速で行うためにデータベース(DB)エンジンを導入したことである。DBエンジンとしては安定性に定評のあるPostgreSQLを使用した。 DBエンジンの導入により、アクセスログ解析など今までCGIで時間をかけて行っていた処理をより高速に安定して行えるようになった。こうして得られた学生の学習状況は、教師用の管理ページを通じて解析結果として呼び出せるので、教師は一目で受講者の学習状況を把握することが可能になる。 またDBエンジンへのブリッジとしてはPerlを使用した。管理ページはHTMLで記述する事により、専用ソフトウエアにとらわれること無く一般のブラウザで参照できるようにした。

3.管理ページ概要
 管理ページにはDBに新たに追加されてくるデータも含めて解析した結果が表示されるので、常に最新の情報が提供される。以下の機能が装備されている。
・ アクセスログ解析
・ 小テスト・アンケート回答結果解析
・ 全学生の学習進度・頻度状況一覧表
いずれの機能もグラフなどを取り入れ、視覚的にわかりやすいようにしている。アクセスログ解析では、どの学生がどれだけページを見ているか、またどの時間帯に最もアクセス数が多いか、どこからアクセスしているか、どのページに最もアクセス数が多いかをグラフで参照できる。小テスト・アンケート回答結果解析は、各設問ごとに回答を示すツールと各学生ごとに回答結果を示すツールと両方設けた。全学生の学習進度・学習頻度一覧表は、学生が副教材ページをどのぐらい見ているか、小テストをどのぐらい行ったか等を一目で分かるようにしてある。


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