演 題 グラフ画像から数値を読み取るツールGraphSqueezeの改良−編集画像の保存と傾いた画像への対応
発表者
(所属)
○平島大志郎、守谷 崇、伊藤眞人(創価大工)
連絡先 〒192-8577 八王子市丹木町1-236 創価大学工学部
TEL:0426-91-9448, FAX:0426-91-9312
E-mail:
キーワード グラフ、スペクトル、クロマトグラム、デジタイザ、オートトレース、Macintosh
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
 イメージスキャナで取り込んだグラフ、スペクトル、クロマトグラムなどの画像から数値データを取り込むデジタイザ。傾いた画像への対応、簡易編集した画像の保存も可能。グラフの再構成、データの再利用が容易になる。
環 境 適応機種名 Power Macintoshシリーズ
O S 名 漢字Talk 7.6以降。使用メモリ4MB以上。
ソース言語 REALbasic 2.0
周辺機器 グラフ画像の取り込みにはイメージスキャナが必要
流通形態
  • 化学ソフトウェア学会の無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス,出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他:
具体的方法

http://www.t.soka.ac.jp/~itomasa/

1.はじめに
 先に報告したGraphSqueeze 1.01)は、@NIFTY2)その他でのダウンロード実績が数百に達する他、コンピュータ教育協議会(CIEC)でも紹介される3)など、好評を得ている。一方で、傾いた画像に対応していない、画像ウインドウのサイズ変更に対応していない、画像の簡易編集機能はあるが編集画像を保存することができないなどの欠点も指摘されてきた。傾いた画像への対応については、最近、pict画像を回転させるGraphTilter4)を公開して対応した。今回は、開発環境をREALbasic5)に変更し、他の点についても対応した改訂版を作成した。

2.概要と特徴
主な追加機能を紹介する。  (1) 傾いた画像への対応
 イメージスキャナーで画像を取り込むと、本来水平であるべき線が傾いてしまうことがしばしばある。旧版では傾いた画像に対応できなかったため、再スキャニングなどの手間を要した。新版では、読み取りのためのx軸(およびy軸)として斜めの直線を設定し、これを基準として座標値を読みとれるようにした。これにより、軸が傾いた画像でもそのままで読み取りが可能になった(図1)。

 (2) 編集画像データの保持
 旧版では、表示画面のデータを保持していなかった。このため、簡易編集機能を用いて編集しても、ウィンドウの大きさを変えるなどして再描画させた場合には元の画像ファイルを表示する仕様になっていた。また、編集後の画面を保存することもできなかった。新版では、読み込んだ画像ファイルのデータを別に保持し、これを表示する仕様にした。画像を編集すると保持しているデータを書き換え、表示することになる。これによって、作業中にウィンドウの大きさを変更しても編集結果が保持されると共に、編集された画像データを保存することが可能になった。

 (3) その他
 基本的な操作手順である (1) 画像ファイル読み込み(編集)、(2) 読み取り範囲設定、(3) x軸およびy軸の基準値設定、(4) 自動追跡、(5) 読み取りデータのテキストファイルへの保存については旧版と同様である。また、簡易編集機能の内容や曲線の自動追跡機能での不連続な曲線への対応など、その他の旧版の仕様は、基本的にそのまま継承した。

 グラフ、スペクトル、クロマトグラムなどのデータのデジタル化と再利用に活用できる。 figure

図1.読み取り範囲の設定画面。軸が傾いた画像の場合には、x軸を傾きに合わせて斜めに設定できる。

4.参考文献
1) 守谷、小林、藤野、伊藤、先田、渡部、井上、化学ソフトウエア学会'93研究討論会講演要旨集、p. 60 (1993).
2) @NIFTY、フォーラム「化学の広場」(FCHEM)データライブラリ、6-3.
3) 松浦興一、CIEC会誌創刊準備号、p. 25 (1996).
4) URL = http://www.t.soka.ac.jp/~itomasa/ftp.html#GTb2
5) "REAL Software Inc.", URL=http://www.realsoftware.com/

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