演題 データのグラフ処理
発表者
(所属)
林 誠人
連絡先 千葉市稲毛区作草部町 955-1-5-106
キーワード 線形最小自乗法
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
物性測定に伴う計測値をグラフ表示し、線形最小自乗法による最適曲線を求め、図形表示、印刷でそれらの整理保存を支援する。
環境 適応機種名 Windows95可動機種
OS 名 Windows95
ソース言語 Visual Basic
周辺機器
流通形態
右のいずれ
かに○をつけ
てください)
  • 化学ソフトウェア学会の
    無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス、出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他
  • ○未定
具体的方法
 物性測定等で通常得られるデータについて、 y = f (x) の関係を、グラフに記入して、考察の対象とするときの作図を支援することを目的とする。
 基本概念については、昨年まで報告したものと同じであるが、Windows95の上で可働させるため、Visual Basicによって書き替えると同時に、構成を新しくて機能の強化を計った。新しく付加した機能と構成の概念を下に述べる。
 開始画面の「ファイル作成」をマウス・クリックすることによりグラフ用紙を表示、マウス・クリックまたはキー入力でデータポイントを記入する。ここではポイントの修正、削除、追加、座標軸の変更、ポイントの画面内スクロール、入力点の変換(倍数、逆数、自乗、平方、対数)を必要に応じて随時実行し、データ・ファイルとして保存する。
 以上の過程は、作成済みデータ・ファイルについても全く同様である。
 続いて画面を、「計算画面」に移行させ、最適化曲線を作図し、必要に応じて罫線等を記入、必要数のノーテイション等も記入する。更に他の曲線を随時必要数重ねて表示、要すれば二曲線(二直線)の交点(変曲点)を求めて折れ線グラフとする。図形は、図形データとして保存する。
 保存済みの図形データ・ファイルの呼び出し画面に移行すれば、随時保存図形を再現表示し、bmpファイルの作成、図形の印刷、データ・ファイルの印刷処理に移る。
以上が構成の概要であるが新しく加わった主な特徴としては、
1) マウス・クリックによるポイントの記入を可能にした。
2) 座標変更、ポイントのスクロールにより、画面上での表示位置の調整を視覚的に行う。
3) データを対数他4種の式を用いてデータ変換を一挙に行い、新データ表を作成する。結果は直ちに表示される。
4) 多数曲線の同時表示(重ね描き)を容易にした。
5) 図形データを随時bmpファイルに変換することにより、ペイントソフト等での修正、書き込みなど図形改造を容易にした。
6) 要すればポイントを消去して曲線のみのグラフ集団とする。消去されたポイントの再現は自由である。
7) bmpファイル作成および印刷に先立って最終入力の4画像についてプレビュー画面を表示、比較選択の機会を設けた。
 

主な操作概要

 開始画面では、「ファイル作成」、「収録済みファイル一覧」、「計算処理」、「四捨五入」、「終了」の5つの選択肢がアイコンと共に現れるが、通常は前三者が対象となる。
 「ファイル作成」は新しくデータファイルを作成するための画面であるが、データの追加、削除、コメントの書き込み、座標軸の変更の他、変数を変換して、たとえば対数データとする。図形データはここで保存する。図形完成後は「計算画面」に移行するが、ここでは計算処理の他グラフの重ね合わせ、キャプション記入、break pointの算出、図形の保存、呼び出し、印刷等の処理過程に入る。
 「収録済みファイル一覧」でダイアログボックスを開き、データファイルを選択すればファイル修正画面となり、以後「ファイル作成」と同様に操作する。
 各画面の数値は、四捨五入による有効数字3桁で丸めて表示することを原則とするが、四捨五入が不適当な(西暦年代など)場合のため、その設定解除を4番目の選択肢で行う。
  下に印刷例を示す。