2013年5月31日 表彰

2012年度

日本コンピュータ化学会  表  彰
SCCJ Award of the Year 2012

[ 学会賞 | 吉田賞(論文賞) ]


日本コンピュータ化学会 2012年度 学会賞

受賞者:

片岡 洋右

受賞理由:

 2013年2月1日に開催された日本コンピュータ化学会役員会で、本年度の日本コンピュータ化学会学会賞を、元法政大学生命科学部教授の片岡洋右氏に授与することが満場一致で決まりました。ここに同氏の経歴と推薦理由を記します。
 片岡洋右教授の略歴を紹介します。
 片岡先生は昭和43年京都大学理学研究科化学専攻博士課程を中途退学後、助手となられ、昭和45年に博士(理学)となられました。平成4年に京都大学理学部助教授に昇進され、平成5年法政大学工学部助教授として移動されました。翌年の平成6年には、法政大学工学部教授となられ、平成20年に法政大学生命科学部教授となり平成24年に定年退職されました。現在は法政大学大学院博士課程学生として御活躍です。
 片岡洋右氏は、統計力学と分子動力学的手法を基盤とし、様々な化学現象の根底に潜む普遍的な原理を明らかにすることおよびそれに基づいて新たな現象を予測し、また設計することを念頭に置いた分子科学シミュレーション的研究を精力的に行っており、さらには理論的手法の開発にも積極的に取り組んでおられます。特に、分子シミュレーションによる液体・溶液・分子結晶の研究をめざした高精度・大規模分子シミュレーション手法の開発に関し多くの重要な貢献をされています。
 以上のような片岡洋右氏の計算化学に対する貢献に対し「日本コンピュータ化学会」は、ここに片岡洋右氏を本会の学会賞の受賞者とすることに決定致しました。

(文責:会長 細矢治夫)

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日本コンピュータ化学会 2012年度 吉田賞(論文賞)

受賞論文:

Gromacsのための計算支援ソフトGISPの開発
森 一樹1, 樺島 智大2, 源 聡2, 玉城 哲平1, 上田 一義1

1) 横浜国立大学大学院工学研究院, 2) 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

Journal of Computer Chemistry, Japan, Vol. 11(2012), No. 2, pp.98-103.

受賞理由:

 分子科学シミュレーションプログラム利用のためのグラフィカルインターフェイスは、その分子科学シミュレーションを普及させる上で、欠かすことのできないアイテムである。本論文で著者らはフリーの分子動力学計算(MD計算)ソフトであるGromacsの計算支援ソフトGISP (Gromacs Input-file Supporting Program)を開発した事を報告している。計算を行いたい分子のPDBファイルをGISPから選択するだけで、コマンドラインでの入力を行わずにグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)から簡単にMD計算のインプットデータの作成を行い、シミュレーションを実行することができる。計算結果の解析には選択項目のボタンを押すだけでプロット及び表示が可能である。GISPはフリーのpythonによってコーディングされているため拡張性に富み、これまたフリーのCygwinがインストールされている場合Windows上でも稼働させることができ、OS等の制約や経費の負担が緩い。
  著者らの開発したGISPはMD計算初心者や大学等におけるMD計算の講義・実習などに有用であり、MD計算の普及に役立つ事が期待される。
  MD計算を用いた分子科学シミュレーションのさらなる発展を期してこれを吉田賞論文として推薦する。

 

(文責:会長 細矢治夫)

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