ニューラルネットワーク入力パラメータの感度解析と偏微分係数解析を用いた赤外線吸収強度に敏感な分子結合パラメータの抽出
― フロン類の赤外吸収強度 ―

福田 朋子a, b, 松本 高利c, 田辺 和俊c, 長嶋 雲兵d*, 青山 智夫e

a日本女子大学家政学部生活芸術学科, 〒112-8681文京区目白台2-8-1
b(株)ベストシステムズ, 〒305-0035つくば市松代4丁目15-2-1-204
c産業技術総合研究所計算科学研究部門, 〒305-8568 つくば市梅園1-1-4
d産業技術総合研究所先端情報計算センター, 〒305-8561 つくば市東1-1-1
e宮崎大学工学部, 〒889-2192宮崎市学園木花台西1-1

(Received: March 8, 2001; Accepted for publication: October 10, 2001; Published on Web: March 22, 2002)

  新規フロン代替物質探査のために、フロン類に特有なC-Fの強い吸収が観測される1500-500cm-1付近の含フッ素化合物44分子の赤外吸収強度とそれらの分子の8種類(C=C, C-C, C=O, C-O, C-H, C-F, C-Cl, O-H)分子内結合数との相関を3層のパーセプトロンタイプニューラルネットワークに学習させ、8種類の分子内結合数の赤外吸収強度への影響を3層パーセプトロン型ニューラルネットワークの入力パラメータの感度解析(パラメータスキャン)[2]と偏微分係数解析[3, 4]を用いて解析した。
  ニューラルネットワークは、Leave-one-outテストで誤差が10%以下の予測を行うよう学習を行った。感度解析の結果、C=C, C-C, C=O, C-O, C-H, C-F, C-Cl, O-Hの8種類の分子内結合のうち C=O, O-Hが多いと赤外吸収強度が大きくなることが判った。C-Fもその結合数が多い場合は赤外吸収強度が大きくなるが、相対的に少ない場合はむしろ吸収強度を小さくする。C-Oは全く吸収強度に影響を与えない。偏微分係数解析では、C-C, C=O, C-Cl, O-Hの数が大きな吸収強度に寄与することが判った。C-OとC-Fの影響は小さいことが示唆された。
  両者の結果は不飽和炭素アルコール系より飽和炭素エーテル系のフロンの方が赤外吸収強度の小さな代替フロンができる可能性の大きいことを示唆している。

キーワード: フロン代替化合物, 赤外吸収強度, 分子設計, 感度解析, 微分係数解析, ニューラルネットワーク


Abstract in English

Text in Japanese

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