長時間シミュレーションのための水和モデルを用いたBrownian dynamics アルゴリズムの開発

安藤 格士, 目黒 俊幸, 山登 一郎*

東京理科大学基礎工学研究科, 〒 278-8510 千葉県野田市山崎2641

(Received: June 6, 2002; Accepted for publication: July 23, 2002; Published on Web: September 13, 2002)

  タンパク質のBrownian dynamics シミュレーションアルゴリズムを開発した。タンパク質はAMBER91の力場を持つ、ユナイテッド・アトムモデルを用いた。溶媒の効果は距離依存型誘電率/露出表面積モデルで表し計算に組み込んだ。ββα構造を保持する28残基のペプチドをモデルとし(Figure 1)、Brownian dynamics の計算効率およびペプチドの構造変化とダイナミックスの結果を、水分子を顕わに扱った分子動力学法による結果と比較した。Brownian dynamicsシミュレーションは分子動力学計算に比べ53倍と、非常に高速な計算が可能であった(Table 1)。また、5ナノ秒のシミュレーションの間、ペプチドの立体構造は安定に保持されており(Figures 2, 3)、真空中におけるシミュレーションで頻繁に見られるアーチファクトは軽減されていた(Figure 4)。これらの結果は、本Brownian dynamicsアルゴリズムは長時間の計算を必要とするタンパク質折り畳みの研究に広く利用可能であることを示すものである。

キーワード: Brownian dynamics, 非分子論的水和モデル, 距離依存型誘電率, 露出表面積


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