(Received: January 17, 2003; Accepted for publication: February 17, 2003; Published on Web: March 20, 2003)
分子力学法、分子動力学法によるエネルギーの計算における非結合相互作用の計算のために、各原子上の電荷を求めることは非常に重要である。このとき分子のとる配座によって電子状態は変化するため、それぞれの配座に対する電荷を計算する必要がある。配座の変化に対応し、かつ簡単に計算できる手法としてRappeらによって電荷平衡法(QEq法)が提唱されているが、QEq法およびその改良法であるQEq/PD法、MQEq法では、一つの原子に対して周囲の環境によらず一種類のパラメータを与えている。本研究ではBakowiesらによって提案されたQEq/PD法に対してatom typeの概念を導入し、原子の置かれた環境によって同種の原子に対しても別のパラメータを用いる方法を提唱する。また、Bakowiesらによってまだ決められていない硫黄、リンについてもパラメータを決定した。これにより、硫黄、リン原子を含む分子やニトロ化合物、ヘテロ原子を含んだ共役五員環を持つ分子などに対して、QEq法によって適切な電荷を与えることができる。
キーワード: 原子電荷, 電荷平衡法, Atom type, 分子力場