(Received: May 16, 2002; Accepted for publication: June 17, 2003; Published on Web: July 8, 2003)
高性能リチウムイオン2次電池の開発には,負極炭素材料へのLi/Li(+)の吸蔵・放出機構とその構造の解明が必要である.電子移動に伴うエネルギー損失を最小限にする炭素材料を見い出すために,非経験的分子軌道計算プログラムQ-ChemのRHF/3-21Gを用いて,48種類の炭素骨格に関する電子状態を計算した.その結果,Li/Li(+)のHOMO-LUMOエネルギーの範囲内にある構造を持つためには,tetrabenzo[bc, ef, kl, no]coronene(TBC)を構築ユニットとして数回繰り返した構造が必要であり,特にTBC6が最小骨格であることが明らかになった.
キーワード: リチウムイオン電池, 分子軌道法, 炭素クラスター, 材料設計, 多環芳香族炭化水素