
Figure 1. Supermolecule with dodecahedral symmetry

Figure 2. Virtual molecule with dodecahedral symmetry
稜線に位置する部分構造はFigure 3に示す構造で、これをフラグメントと呼ぶことにする。すなわち、フラグメントは「正十二面体の稜線を構成する対称性の上で独立な部分構造とそれに直接結合している正十二面体の頂点となる2つの原子からなる部分構造」と定義できる。Figure 3の例では、11と12番の原子が正十二面体構造での頂点となり、残りが稜線部となる。番号付けの規則としては、稜線部の最小番号(1)と最大番号(10)を有する原子は頂点部と結合している。それ以外の番号付けは任意でよい。

Figure 3. Numbering in the symmetrically unique fragment of the virtual molecule in Figure 2
フラグメントの構造を一般的に表現するとFigure 4のようになる。ここでは簡単のため、2からk - 3の番号は省略してある。フラグメントは頂点となる2つの原子も含めてk個の原子から成っている。ただし、頂点となる二つの原子のうちk - 1番は1番のみと、またk番はk - 2番のみと結合していなければならない。それ以外には制限はない。

Figure 4. Numbering in generalized fragment

Figure 5. Numbering in two successive fragments
![]() Figure 6. Numbering in edges (1) |
![]() Figure 9. Numbering in edges (4) |
![]() Figure 7. Numbering in edges (2) |
![]() Figure 10. Numbering in edges (5) |
![]() Figure 8. Numbering in edges (3) |
![]() Figure 11. Numbering of vertices |

Figure 12. View along the normal at the center of face
Figure 12より、線分ACの長さは(L /2)tan54°である。また、q、rと点A、B、Cの関係はFigure 13のようになり、cosq= AC / r であるので、次の関係式が得られる。


Figure 13. Definitions of q and r (view along x axis)

Figure 14. Definitions of q and r (view along z axis) (cf Figure 13.)
一方、点A、Bの座標はそれぞれ(0, 0, r)、(0, r, L /2)であることから、位置ベクトルAOとABはそれぞれ(0 0 -r)と(0 r L /2-r)の成分を持つ。従って、ベクトルAOとベクトルABのなす角qとrの間には式2の関係が成り立つ。

L = 1としたとき、式1、2より、rについての四次方程式(式3)が得られる。

二分法により、式3の正の実根を求めると、
r = 1.3090169943495 となり、これより
q= 58.282525888539°となる。
qとrを求めるためにここで使用した座標系は、正十二面体型超分子の原子の座標を求めるために座標変換を行う際には使用しない。その場合にはFigure 16およびFigure 17に示すように、正十二面体の一つの面の重心を通る法線をz軸とし、これに垂直で稜線の中点を通る直線がy軸となるような座標系を用いる。

Figure 15. Translation of fragment onto the y axis
次にx軸方向に(L/2)tan54°、z軸方向に(L/2)tanqtan54°だけ平行移動する。ここでLはフラグメントの両端間の距離で、qは正十二面体の隣接する二つの面のなす二面角の二分の一の角度である。この変換でフラグメントの両端の原子を結ぶ線分は、Figure 16に示すように、原点を中心とする正十二面体の一つの稜線に位置するようになる。

Figure 16. Fragment placed on an edge (view along x axis)

Figure 17. Fragment placed on an edge (view along y axis)
Figure 16およびFigure 17の状態にあるフラグメントの座標を基にして対称性により、残りの稜線に位置するフラグメントの座標を求めていく。座標変換に必要な回転操作は、次の3つである。

Figure 18. Ten edges of top and bottom faces

Figure 19. Ten edges of the lateral faces

Figure 20. Ten edges in the equatorial part
| 12 | ||||||||
| C | 1 | -1.311127 | 0.452789 | -0.073700 | 2 | 2 | 6 | 9 |
| C | 2 | -0.269455 | 1.352295 | -0.324265 | 2 | 1 | 3 | 7 |
| C | 3 | 1.044296 | 0.875320 | -0.267105 | 2 | 2 | 4 | 10 |
| C | 4 | 1.311264 | -0.461456 | 0.036011 | 2 | 3 | 5 | 11 |
| C | 5 | 0.269608 | -1.359787 | 0.290390 | 2 | 4 | 6 | 8 |
| C | 6 | -1.044189 | -0.883636 | 0.229370 | 2 | 1 | 5 | 12 |
| C | 7 | -0.536911 | 2.792343 | -0.633347 | 1 | 2 | ||
| C | 8 | 0.536316 | -2.792343 | 0.633331 | 1 | 5 | ||
| H | 9 | -2.357712 | 0.793655 | -0.123413 | 5 | 1 | ||
| H | 10 | 1.882065 | 1.566544 | -0.454956 | 5 | 3 | ||
| H | 11 | 2.357712 | -0.803452 | 0.082687 | 5 | 4 | ||
| H | 12 | -1.882004 | -1.575363 | 0.414124 | 5 | 6 |
CC1形式のファイルの一行目に頂点となる二つの原子の番号をList 2に示すように書くと、番号の付け替えが自動的に行なわれる。
| 12 | 7 | 8 | ||||||
| C | 1 | -1.311127 | 0.452789 | -0.073700 | 2 | 2 | 6 | 9 |
| C | 2 | -0.269455 | 1.352295 | -0.324265 | 2 | 1 | 3 | 7 |
| . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . | ||||||||
List 2をファイル名fragment.cc1で保存し、PerlのスクリプトDhcoor1.5と同じフォルダー内に置く。Dhcoor1.5を実行するとファイルDhcoor.cc1の中に結果が書き出される。List 3には計算の結果生成される320個の原子の座標の一部が示されている。計算の途中経過は、標準出力に表示されるので、計算がおかしい時の手がかりとする。計算がうまく行かない場合は、頂点原子の入れ忘れなど、入力ファイルに間違いがある場合がほとんどである。
| 320 | ||||||||
| C | 1 | 4.002434 | -1.416307 | 6.475376 | 2 | 2 | 3 | 305 |
| C | 2 | 4.834115 | -0.691501 | 5.787631 | 2 | 1 | 6 | 9 |
| C | 3 | 3.162422 | -0.704679 | 7.165766 | 2 | 1 | 4 | 5 |
| C | 4 | 3.155752 | 0.691753 | 7.171590 | 2 | 3 | 10 | 7 |
| . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . | ||||||||

Figure 21. Supermolecule assembled from tris- (4-aminophenyl) methane trihydrochloride and decamethyl cucurbit[5]uril

Figure 22. Fragment of the supermolecule in Figure 21

Figure 23. 3D model of the supermolecule in Figure 21
Figure 23は、Figure 22のフラグメントからできる正十二面体型の超分子のモデルで、4480個の原子からできている。尚、頂点に位置する原子の原子価が炭素のように4価の場合、本プログラムは4つ目の原子の座標を作成しないので、別のモデリングソフトで補ってやる必要がある。このモデルの場合、それぞれの頂点に水素原子を1個補っている。