(Received: September 29, 2004; Accepted for publication: June 9, 2005; Published on Web: September 7, 2005)
複雑な系はそのポテンシャル面に多くの局所極小値を持つ。シミュレーションにおいてこのような複雑な系を扱う場合、系の構造/配置がそれらの極小値にトラップされ、位相空間内の広範な探索が妨げられ、真のポテンシャル最小値に辿り着けない可能性が大いにある。レプリカ交換法は、この問題を解決するために提案されたアルゴリズムのひとつである。我々は、電荷を持ったモノマーが直鎖状に結合した分子(polyampholyte: PA)について、レプリカ交換モンテカルロ法と従来のモンテカルロ法を用いて畳み込みシミュレーションを行った。PAの分子内ポテンシャルは静電相互作用、弾性相互作用、ソフトコア相互作用を組み合わせたものである。計算の結果、PAの最安定構造として真っ直ぐに伸びた二重螺旋構造が得られた。この最安定構造はレプリカ交換法だけでなく従来のモンテカルロ計算によっても得られ、最安定構造が得られる確率は二つの方法にほとんど違いが見られなかった。レプリカ交換法の有効性が見出せなかったのは、ポテンシャル関数の設定に原因があると思われる。
キーワード: レプリカ交換法, モンテカルロ法, Polyampholyte, 畳み込み