2電子積分計算ルーチンの性能評価

稲富 雄一a,b*, 小原 繁c, 長嶋 雲兵a,b

a産業技術総合研究所計算科学研究部門, 〒305-8568つくば市梅園1-1-1中央第二
b科学技術振興機構構戦略的創造研究推進事業, 〒332-0012埼玉県川口市本町4-1-8 川口センタービル
c北海道教育大学釧路校, 〒085-8580 北海道釧路市城山1-15-55

(Received: July 28, 2005; Accepted for publication: November 7, 2005; Published on Web: December 15, 2005)

  本論文では、分子軌道計算で最も時間のかかる2電子反発積分の計算を新小原法[6, 7]とVertical Recurrence Relation (VRR)[5]とHorizontal Recurrence Relation (HRR)[8]のhybridアルゴリズムをもちいた2種類のプログラムで行い、Pentium4 (3.6GHz, EM64T, 1GB L2 cache) 上で浮動小数演算数や必要クロックサイクル数などのプロセッサイベントを計測することにより、その性能を評価した。
  新小原法プログラムの浮動小数点演算数は、hybrid法のそれに比べ20%ほど少ないが、性能はhybrid法プログラムの方が高かった。これは、新小原法プログラムのメモリアクセス回数がhybrid法プログラムに比べ3倍ほど多く、キャッシュミスは25倍も多いことに起因する。このように浮動小数演算数が少なくても、メモリアクセスが多くなることで、計算速度が大きく低下することが分かった。したがって、2電子積分を高速に行うためには、演算数だけでなく、中間積分などを保存、利用するためのメモリアクセス数を減少させる工夫が必要である。

キーワード: 2電子積分, 性能カウンタ, メモリアクセス


Abstract in English

Text in Japanese

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