自己阻害型p47phoxの活性化機構に関する分子シミュレーション

渡部 洋子a, 坪井 秀行a, 古山 通久a, 久保 百司a,b, Carlos A. Del Carpioa, 一石 英一郎c, 河野 雅弘c, 宮本 明a,c*

a東北大学大学院工学研究科 応用化学専攻, 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-11-1302
b科学技術振興機構さきがけ, 〒332-0012 埼玉県川口市本町4-1-8
c東北大学未来科学技術共同研究センター, 〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-10

(Received: July 21, 2005; Accepted for publication: October 24, 2005; Published on Web: April 5, 2006)

  食細胞NADPHオキシダーゼ複合体が生成する活性酸素は強い殺菌作用・毒性があり、貪食作用と呼ばれる生体防御機構にとって非常に重要である。特に細胞質サブユニットの一つであるp47phoxのリン酸化によるコンホメーション変化は、NADPHオキシダーゼ活性化すなわち活性酸素の生成力において大きな役割を果たしている。これまで不活性状態および活性状態という2つのp47phoxの立体構造が決定されたが、この2つの構造をつなぐコンホメーション変化は解明されていなかった。そこで本研究では分子動力学法を用い、活性化において重要な役割を果たすSer 303、304、及び328のリン酸化がp47phoxの活性化に及ぼす影響について解析した。その結果、3つのリン酸化サイトにおける高次構造の変化が立体的に離れて位置する領域の構造変化に寄与していることが明らかとなった。更にp47phoxの活性化におけるリガンド交換は、リン酸化によって溶媒に露出したp47phoxのN末端側SH3ドメインと別の細胞質サブユニットであるp22phoxが相互作用することで誘起されるとの示唆が得られた。

キーワード: 分子動力学法, NADPHオキシダーゼ, SH3ドメイン, リン酸化


Abstract in English

Text in Japanese

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