技術論文

分子設計のための統合システムToMoCoの開発

荒川 正幹*, 船津 公人**

東京大学大学院 工学系研究科, 〒113−8656 東京都文京区本郷7丁目3番1号

(Received: September 5, 2005; Accepted for publication: January 27, 2006; Published on Web: June 5, 2006)

  分子設計や薬物設計においては、コンピュータを用いた効率的な解析が求められており、そのためのコンピュータシステムが数多く研究、開発されている。我々の研究室においても、ケモインフォマティックス、ケモメトリックスに関連する多くの研究を行っており、それらの解析を行うプログラムについても開発を進めている。ToMoCo (The total system for molecular designs by the computer chemistry laboratory) はこれらのコンピュータプログラムをひとつにまとめた分子設計のための統合システムであり、現在までにCoMFA法を中心とした定量的構造活性相関解析(QSAR)に関する手法が実装されている。本論文ではToMoCoに実装されている手法のうち、分子構造重ね合わせ機能、新規薬物候補構造自動創出機能、CoMFA領域選択機能について説明し、これらの手法を用いてCOX-2阻害剤の解析を行った結果を示す。COX-2阻害剤54サンプルに対して、構造重ね合わせを行うことにより活性配座を推定しCoMFA法による3D-QSAR解析を行った結果、R2=0.922、Q2=0.653のCoMFAモデルが得られた。そして、そのモデルを評価基準として用いて新規薬物候補構造の自動創出を行い、予測活性値7.11から7.87までの200個の構造を得た。またCoMFA領域選択を行った結果、変数の数が6分の1以下に削減され、R2=0.938、Q2=0.751というシンプルで予測的なQSARモデルが構築された。

キーワード: 分子設計, CoMFA, 化学構造重ね合わせ, 領域選択, 構造生成, COX-2阻害剤


Abstract in English

Text in Japanese

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