ニューラルネットワークを用いたドナウ川の水質解析
−OECDレポートを用いて−

神部 順子a,b, 長嶋 雲兵b,c*, 山内 あい子d, 青山 智夫e

a大東文化大学外国語学部, 〒175-8571板橋区高島平1-9-1
b科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(JST-CREST), 〒332-0012川口市本町4-1-8
c産業技術総合研究所計算科学研究部門, 〒305-8568つくば市梅園1-1-1中央第二
d徳島大学薬学部, 〒770-8505徳島市庄町1-78-1
e宮崎大学工学部, 〒889-2192宮崎市学園木花台西1-1

(Received: November 9, 2006; Accepted for publication: December 14, 2006; Published on Web: March 2, 2007)

  OECDによるドナウ川の水質データの経年変化に関し,欠測データを含むデータの解析が可能な多階層型ニューラルネットワークシミュレーション(CQSAR)法を用いて,欧州の河川再自然化政策等による河川の水質浄化の有効性およびダム建設の影響を検討した.
  ドイツ圏で施行されている河川再自然化や水質浄化政策はT-P値の改善にはあまり効果がなかったが,DO,BOD値を改善していた.特に,ドナウ川のハンガリー流域でのBOD値に浄化傾向がみられた.ドナウ川のBOD値から自然浄化作用が河川浄化策の施行により回復してきていると判断できた.
  スロヴァキアとハンガリー間のドナウ川に設けられたダム(ガブチコボ・ナジュマロシュ・ダム)の影響は,DO値は悪化される傾向にあり,逆にBOD値は改善される傾向にあった.また,ダム建設によりダム下流のドナウ川のハンガリー流域でのDO値やBOD値が,ダム上流域の水質と関係しなくなったことが明らかになった.

キーワード: 水質, ドナウ川, 再自然化, Compensation Quantitative Structure-Activity Relationship (CQSAR)


Abstract in English

Text in Japanese

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