総合論文

フラグメント分子軌道法による生体高分子の応用計算

福澤 薫a*, 中野 達也b, c, 加藤 昭史a, 望月 祐志c, d, 田中 成典c, e

aみずほ情報総研株式会社, 〒101-8443 東京都千代田区神田錦町2-3
b国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部, 〒158-8501 東京都世田谷区上用賀1-18-1
c科学技術振興機構(JST)CREST, 〒332-0012 埼玉県川口市本町4-1-8
d立教大学理学部化学科, 〒171-8501 東京都豊島区西池袋3-34-1
e神戸大学大学院自然科学研究科, 〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1

(Received: April 5, 2007; Accepted for publication: May 10, 2007; Published on Web: June 29, 2007)

  フラグメント分子軌道(FMO)法プログラムABINIT-MPを用いた生体高分子の応用計算の現状をGUIシステムBioSation Viewerの機能とともに紹介する。具体例として、核内受容体とリガンドの相互作用、DNAと転写因子タンパク質との結合などについて、主に転写に関わる分子認識機構を詳細に解析した。フラグメント間相互作用エネルギー、電荷分布、及び軌道相互作用の解析などを通じて、生体高分子の分子認識における各アミノ酸残基の役割や相互作用の様式を明らかにした。またこれらの分子認識には、静電的な相互作用ばかりでなく、分散力に基づくvan der Waals相互作用が重要であることを明らかにし、電子相関を適切に取り入れた量子化学計算が必要となることが具体例を通じて示された。その他にも、光励起特性の解析などの先駆的な研究も進めている。

キーワード: フラグメント分子軌道法, ABINIT-MP, BioStation Viewer, 生体高分子, 分子認識, 核内受容体, DNA


Abstract in English

Text in Japanese

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