(Received: March 8, 2007; Accepted for publication: May 7, 2007; Published on Web: July 20, 2007)
塩基配列を迅速に判別するためのシステム開発は、医療のみならず様々な分野において重要な研究課題である。核酸へ蛍光物質を修飾した遺伝子プローブは魅力的なプローブとして期待されている。その中で、蛍光物質としてピレンを利用したピレン修飾DNAおよびRNAにおいて、ピレン修飾RNAのみが相補鎖のRNAと二重螺旋を形成した際、蛍光が著しく増大することが示されている。しかし、ピレンとピレン周辺の詳細な構造やピレン自身の挙動などは明らかにされていない。そこで本研究では、ピレン修飾DNAおよびピレン修飾RNAの分子動力学(MD)シミュレーションを行い、ピレン修飾部の挙動や構造を比較検討し、ピレンがピレン修飾DNAでは二重螺旋内部に、ピレン修飾RNAでは二重螺旋外部に配座すること、その際の詳細な構造や挙動を明らかにした。さらにはピレン修飾RNAにおいてミスマッチによるピレンの挙動の変化についても検討した。
キーワード: 塩基配列認識プローブ, ピレン, DNA, RNA, 分子動力学法