ノート

密度汎関数法による馬心筋一酸化炭素ミオグロビン活性中心モデル計算
− 遠位ヒスチジンが電子状態に及ぼす影響 −

千葉 貢治a, 平野 敏行b, 佐藤 文俊b*, 岡本 正宏a

a九州大学大学院システム生命科学府, 〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
b東京大学生産技術研究所, 〒153-8505 目黒区駒場4-6-1

(Received: July 1, 2008; Accepted for publication: August 18, 2008; Advance publication: September 24, 2008)

  馬心筋一酸化炭素ミオグロビン(MbCO)における,遠位ヒスチジン(HIS)イミダゾール基の水素の位置の違いによるヘムと配位子への電子構造の影響を調べるため,いくつかの活性中心モデルを用いて密度汎関数計算を実行した.遠位HISイミダゾール基の水素が一酸化炭素(CO)配位子側に向くe位に水素が付いたモデルでは,d位に水素が付いたモデルに比べてヘム鉄-CO結合部位近傍の静電ポテンシャルが正に高く,準位が高いヘム鉄由来の被占コーン・シャム軌道準位が安定化した.水素の位置の違いは結合したCOにも影響を与えており,炭素のマリケン電荷の変化量は0.016に及んだ.MbCOにおいても,遠位HISとヘムおよび配位子との相互作用は大きく,配位子結合状態の記述には遠位HISを量子化学的にあらわに考慮する必要があることが示された.

キーワード: 一酸化炭素ミオグロビン, 密度汎関数法, 遠位ヒスチジン, 水素化部位


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