ホタル由来ルシフェラーゼによるケトプロフェンの不斉判別に関する計算化学的解析

佐々 和洋a*, 加藤 太一郎b, 宇野 健c, 林 治尚d, 中野 英彦b

a福井工業高等専門学校物質工学科, 〒916-8507 福井県鯖江市下司町
b兵庫県立大学大学院工学研究科, 〒671-2280 兵庫県姫路市書写2167
c県立広島大学経営情報学部経営情報学科, 〒734-8558 広島県広島市南区宇品東一丁目1-71
d兵庫県立大学学術総合情報センター, 〒671-2280 兵庫県姫路市書写2167

(Received: August 7, 2008; Accepted for publication: December 4, 2008)

  ホタル由来ルシフェラーゼはD-ルシフェリンを基質とした発光反応を触媒する酵素であることはよく知られているが、最近、同酵素が2-アリールプロパン酸に対してチオエステル化反応を起こすことが報告された。しかも、このチオエステル化反応は高い不斉選択性を示すことも明らかにされている。しかし、この不斉識別の機構については明らかになっていない。そこで本研究では、ゲンジボタル由来のルシフェラーゼに不斉炭素を有する基質を導入した酵素-基質複合体を構築し、分子動力学(MD)シミュレーションを実行し、その解析から不斉選択性発現機構の解明を試みた。そして、各複合体の基質と基質周辺アミノ酸を中心に構造や挙動の比較を行った。その結果、導入基質内に不斉がある場合、その基質の不斉炭素付近にある2つのセリン残基の挙動が大きく異なることが明らかとなった。そして、これらの違いが不斉選択性の要因の一つである可能性が示唆された。

キーワード: ルシフェラーゼ, ケトプロフェン, チオエステル化, 不斉選択性, 分子動力学法


Abstract in English

Text in Japanese(HTML)

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