北緯32度,東経120〜130度上空のSPM濃度

青山 智夫a*, 神部 順子b, 長嶋 雲兵c

a宮崎大学工学部, 〒889-2192 宮崎市学園木花台西 1-1
b江戸川大学メディアコミュニケーション学部, 〒270-0198 流山市駒木 474
c産業技術総合研究所計算科学研究部門, 〒305-8568 つくば市梅園 1-1-1

(Received: July 15, 2008; Accepted for publication: October 17, 2008; Advance publication: November 25, 2008)

  デジタル一眼レフカメラで月光スペクトルと空の色相を撮影し,空中Suspended Particulate Matter (SPM) を計測する簡便法を示した.カメラに取り付ける回折系の制作方法,色相の定量化とSPM濃度の関係を示した.それらの方法により北緯32度,東経120 ~130度間の空中SPMの濃度と性質の相違を評価し,次の結果を得た.
  1. 東経120度以西では仰角大の場合に高SPM濃度となる場合がある.物理的には仰角小の方が濃度は高くなるが,強い上層風に乗りSPM塊が流れているのならば逆転する可能性がある.地上高数kmに高濃度SPM塊が存在する場合はライダー観測にある.
  2. 仰角58度の月光スペクトルの青色領域に顕著な吸収帯がある.仰角20 ~30度ではその吸収帯がなまる.光は仰角小ほどSPM層を長距離通過するので多種類のSPMの吸収の平均となる.仰角大の月光スペクトルに吸収帯があることはSPM塊の局在性を示す.
  3. 東経120度以西では地上のSPM濃度と仰角小のスペクトルの赤色成分との間には関連がない.東経131度では地上のSPM濃度が高いとき小仰角では赤成分が顕著となり青緑色成分は減少する.月の色は橙である.
  4. 東経120度以東の成層圏に不可視のSPMが存在する.
  これらの結果はSPMの性質が経度10度を移動する間に変化していることと矛盾しない.

キーワード: 浮遊粒子状物質, 月光スペクトル, 上空汚染, 色相


Abstract in English

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