フーリエ変換とベイズモデルおよびトレンドモデルによる時系列データのノイズ除去

小野寺 光永a, 井須 芳美a, 長嶋 雲兵a,c*, 吉田 裕亮a, 細矢 治夫a, 永川 祐三b,d

aお茶の水女子大学理学部情報科学科 〒112-8610 文京区大塚2-1-1
bお茶の水女子大学保健管理センター 〒112-8610 文京区大塚2-1-1
c現所属: 物質工学工業技術研究所 〒305-8565 つくば市東1-1
*e-mail:
d現所属: (株)三菱電機

(Received: December 4, 1997 ; Accepted for publication: March 3, 1998 ; Published on Web: June 21, 1999)

 生体の断層イメージを測定する核磁気共鳴(NMR)のシグナルや、Belousov-Zhabotinsky反応(BZ)などの振動反応の酸化還元ポテンシャルには、測定環境によりSN比が急激に悪くなる時系列データが見られ、そのノイズ除去が問題となっている。また、生体における時系列データの一つである心電図においても、ノイズによる心電図解析の妨げが問題となっている。そこで本研究では、フーリエ変換、ベイズモデル、トレンドモデルの3手法を用いたノイズ除去を行い、それぞれのモデルによる結果の比較、検討を行った。数値実験には、NMRのシグナルに代表的なMultiple nonstationary frequenciesの近似関数と心電図の2種類のデータを用いた。
 その結果、Multiple nonstationary frequenciesの近似関数では、ベイズモデルが最も有効であった。心電図では、フーリエ変換により、基線の揺れを抑えることができ、ベイズモデルやトレンドモデルを用いて平滑化を行った後に、フーリエ変換によってノイズを除去する方法が有効であることが示唆された。

キーワード: Noise filtering, FFT, Bayesian model, Trend model, Time series


Abstract in English

Text in Japanese

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