分散メモリ型並列計算機に適した新しい大規模フォック行列生成アルゴリズム
- 積分カットオフとの関連 -

高島 一a, 山田 想b, 小原 繁c, 北村 一泰a, 稲畑 深二郎b, 宮川 宣明b, 田辺 和俊d, 長嶋 雲兵e*

a大正製薬創薬研究所, 〒330-8530埼玉県大宮市吉野町1-403
b富士ゼロックス総合研究所, 〒243-0494 神奈川県海老名市本郷2274番地
c北海道教育大学教育学部, 〒085-8580 北海道釧路市城山1丁目15-55
d物質工学工業技術研究所, 〒305-8565 茨城県つくば市東1-1
e産業技術融合領域研究所, 〒305-8562 茨城県つくば市東1-1-4
*e-mail:

(Received: December 10, 1999; Accepted for publication: January 7, 2000; Published on Web: April 10, 2000)

  分散メモリ型並列計算機上での大規模分子軌道計算で、計算時間短縮に大きな効果をもたらす積分カットオフの問題に注目し、積分カットオフの閾値が計算結果に与える影響や、大規模分子における積分カットオフの割合について調べた。大規模分子では、2つの添字だけで行なうカットオフによって生き残る基底数の割合が10%以下となりほぼ一定値になること、これにより、積分数は事実上基底数Nの二乗に減少することが判明した。よって、ホストと各プロセッサの間で行列転送を行なう際には積分カットオフに対応した転送行列のカットオフを行なう事が通信量やメモリ量の軽減に必須であることが分かった。

キーワード: Distributed Memory Parallel Computer, Ab Initio Molecular Orbital Calculation, Fock Matrix Generation, Integral Cutoff


Abstract in English

Text in Japanese

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