茶カテキン類のC-6位またはC-8位におけるヒドロキシメチル化の反応性を高めるためには?
―C-3位のガレート基導入効果の理論的研究―

田村 克浩a, 松本 高利b, 長嶋 雲兵b,c*

a静岡県静岡工業技術センター, 〒421-1298静岡市牧ヶ谷2078
b物質工学工業技術研究所, 〒305-8565つくば市東1-1
c産業技術融合領域研究所, 〒305-8562つくば市東1-1-4
*e-mail:

(Received: July 17, 2000; Accepted for publication: September 5, 2000; Published on Web: November 10, 2000)

  茶カテキン類として知られているC-3位にガレート基をもつ(−)−エピカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレートは、ガレート基を持たない茶カテキン類と比べホルムアルデヒドのC-6位またはC-8位における求電子置換反応の反応性が高いことが知られている。そのため本研究では5種類の茶カテキンのヒドロキシメチル化反応について、半経験的分子軌道法による理論計算を行った。その結果、C-3位にガレート基を導入することによりHOMOの振幅が反応位置(C-6位またはC-8位)で増加するため、ヒドロキシメチル化の反応性が高まるという結果を得た。
  茶カテキン類とホルムアルデヒドとの反応性を高めるためにはHOMOを不安定化し、かつ反応位置でのHOMOの振幅を増大させる大きなπ電子系を持つ官能基の導入が有効であることが示唆された。

キーワード: (+)-Catechin, (-)-Epicatechin, (-)-Epigallocatechin, (-)-Epicatechin gallate, (-)-Epigallocatechin gallate, Hydroxylmethylation, HOMO-LUMO energy


Abstract in English

Text in Japanese

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