PCクラスターを用いたab initio結晶軌道法の並列処理

寺前 裕之*, 大田原 一成

ATR適応コミュニケーション研究所, 〒619-0288 京都府相楽郡精華町光台2丁目2-2
*e-mail:

(Received: November 26, 2001; Accepted for publication: December 19, 2001; Published on Web: February 23, 2002)

  メッセージパッセンジャーとしてMPI(Message Passing Interface)の一種であるLAM(Local Area Multicomputer)を用いた、並列計算機環境の構築について述べる。実際の計算としては、一次元ポリマーのエネルギーバンド計算の並列処理について示した。PCとしては、Pentium IIIデュアルCPU仕様のマザーボードを使用したパーソナルコンピューター8台(CPU数は16)からなるPCを100BaseTの8ポートスイッチを使用してネットワーク接続を行い、クラスター構成とした。Poly-tetrafluoro-ethylene (C2F4)x の計算では8CPU使用時で実時間が6.27倍に加速された。Poly-(para-phenylene sulfide)(C6H4SC6H4S)xの計算ではクラスター全体のメモリーに二電子積分を全て置く事が可能となったために、8CPU使用時に約20倍という実時間の高速化が達成され、実時間の短縮という面においても並列処理は非常に有効であることがわかった。

キーワード: Parallel processing, Crystal orbital, Energy band, PC cluster


Abstract in English

Text in Japanese

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