演 題 スペクトルデータベースシステムSDBS
発表者
(所属)
○田辺和俊(物質研)
連絡先 〒305-8565 茨城県つくば市東1-1 物質工学工業技術研究所
TEL/FAX 0298-61-4432
E-mail:
キーワード スペクトル、データベース、赤外、NMR、質量スペクトル
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
赤外、NMR(1H、13C)、質量、ラマン、ESRの5種類のスペクトルを同一の物質について測定したスペクトルデータベースシステム
環 境 適応機種名 PC
O S 名 WindowsNT
ソース言語 FORTRAN
周辺機器  
流通形態
  • 化学ソフトウェア学会の無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス,出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他:未定
具体的方法

 

1.特徴
 SDBS(Spectral DataBase System)は通商産業省工業技術院化学技術研究所(現物質工学工業技術研究所)において15年以上にわたって構築されてきたスペクトルデータベースシステムである。SDBSには他のスペクトルデータベースとは異なる幾つかの特徴がある。
 第1は統合的スペクトルデータベースであり、赤外、NMR(1H、13C)、質量、ラマン、ESRの5種類のスペクトルが同一の物質について測定され、データベース化されている。この特徴を生かして、赤外、13C-NMR、質量の3種類のスペクトルを同時に利用できる複合検索システムも開発されている。現在のデータの概数は登録化合物30,000、赤外 47,300 、質量19,600、1H-NMR13,500、13C-NMR11,000、ラマン3,500、ESR2,000である。収録している化合物は主として市販試薬で、炭素数6〜16の有機化合物が全体の2/3を占めている。これは市販されるほど基本的に重要な化合物を収録していることを意味し、学術的にも実用的にも価値あるデータベースとなっている。赤外は同じ試料を幾つかの方法で測定している。液体試料は液膜法が中心であるが、固体試料はKBr錠剤法とNujolペースト法で測定し、溶液法(CCl4溶媒)でも測定されている。したがってSDBSの登録化合物は約3万であるが、赤外の総数は約5万になっている。化合物の中には無機化合物約500件やポリマー約50件も含まれている。ラマンは液体試料はキャピラリー法で、固体試料は粉末法で測定されている。
 第2はデータの質と精度の高さである。SDBSではスペクトルの測定、評価、データベース化などの作業がすべて当研究所で行われているため、データの質と精度がそろっている。たとえば赤外は昭和56(1981)年より我々の研究室でNICOLET170SXを用いて0.5 cm-1という高分解能で測定されており、データの精度(分解能、ダイナミックレンジ)は他のデータベースよりも高く、均質なデータが集積されている。ラマンも日本分光R800を用いて0.8 cm-1という高分解能で測定されている。これらの高分解能データは基盤技術研究促進センター(技術情報課03-3505-6826)から入手することができる。NMRではスペクトルの帰属をつけてこの帰属を化学構造式とともに表示している。
 現在SDBSはインターネット(http://www.aist.go.jp/RIODB/SDBS/)とCD-ROM(上記の基盤技術研究促進センター)で公開している。前者は平成8年4月から工業技術院情報計算センターの研究情報公開データベースRIODBの一環としてインターネットで全世界に向けて公開を開始した。公開スペクトルの種類を増やすと共に検索機能を向上した。積極的な宣伝はしなかったが、ユーザからの直接的な反響であるアクセス件数は確実に増加した。平成11年12月末までのアクセス総合計は400万件を越え、最近3ヶ月では毎月25万件を越えたアクセスがある。国別では国内約12%、アメリカ41%、ヨーロッパ諸国15%、その他の地域(アジア、オセアニア、ラテンアメリカ、アフリカ等)13%、ネット経由等を含めて国名が判別しないアクセス18%である。国名を数えると65以上の国々となり、世界に開く窓となっている。SDBSは世界でも有数の化学ファクトデータベースであり、例えばStudyWeb/Science/Chemistry/Spectrochemistryにおいてフリーにアクセスできる重要な学術データベースとしてリストアップされている。学術データベース輸入超過国の我が国において世界に誇れる貴重なデータベースであり、インターネットで公開することにより広く世界の化学に関連する産業、研究、教育に貢献している。
 後者は平成3年から基盤技術研究促進センターにデータベースを貸与してCD-ROMで一般公開を行い、毎年60件以上の利用をみている。
 我々はSDBSの開発を今後も継続していくが、経済的、物質的(試料の供与)、無形的(使用感想の提供)など、各位の支援を願ってやまない。

2.公開
 現在SDBSはインターネット(http://www.aist.go.jp/RIODB/SDBS/)とCD-ROM(上記の基盤技術研究促進センター)で公開している。前 者は平成8年4月から工業技術院情報計算センターの研究情報公開データベースRIODBの一環としてインターネットで全世界に向けて公 開を開始した。公開スペクトルの種類を増やすと共に検索機能を向上した。積極的な宣伝はしなかったが、ユーザからの直接的な反響 であるアクセス件数は確実に増加した。平成11年12月末までのアクセス総合計は400万件を越え、最近3ヶ月では毎月25万件を越えたア クセスがある。国別では国内約12%、アメリカ41%、ヨーロッパ諸国15%、その他の地域(アジア、オセアニア、ラテンアメリカ、アフリ カ等)13%、ネット経由等を含めて国名が判別しないアクセス18%である。国名を数えると65以上の国々となり、世界に開く窓となって いる。SDBSは世界でも有数の化学ファクトデータベースであり、例えばStudyWeb/Science/Chemistry/Spectrochemistryにおいてフリ ーにアクセスできる重要な学術データベースとしてリストアップされている。学術データベース輸入超過国の我が国において世界に誇 れる貴重なデータベースであり、インターネットで公開することにより広く世界の化学に関連する産業、研究、教育に貢献している。
 後者は平成3年から基盤技術研究促進センターにデータベースを貸与してCD-ROMで一般公開を行い、毎年60件以上の利用をみている 。
 我々はSDBSの開発を今後も継続していくが、経済的、物質的(試料の供与)、無形的(使用感想の提供)など、各位の支援を願ってやま ない。

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