演 題 OpenGLを利用した分子表示プログラムの開発(3)
発表者
(所属)
中田吉郎,滝沢俊治(群馬大学工学部),上林正己(生命工学研究所)
連絡先 〒371-8510 群馬県前橋市荒牧町4ー2 群馬大学工学部(荒牧)生物物理学教室

キーワード 分子グラフィックス,分子モデリング,分子動力学法
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
分子構造を3次元モデル表示するプログラムである。アニメーション表示も可能である。OS( Windows 系)のみで動作する。
環 境 適応機種名 DOS/V
O S 名 Windows系OS
ソース言語 Visual C++
周辺機器  
流通形態
  • 化学ソフトウェア学会の無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス,出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他:未定
具体的方法

 

1.はじめに
 近年、パーソナルコンピュータの機能が急速に発展している。そのグラフィックスの機能においても、ハードウエア・ソフトウエアの双方の機能が高性能になり、高度な3次元分子表示が割と簡単に実現できるようになった。またインターネット環境も急速に発展し機種に依存しないプログラムも実現してきた。たとえばVRML とかJAVA と呼ばれる3Dモデリング言語である。さらにこれらを用いて分子構造表示プログラムも数多く発表されている。その例として Weblab Viewer、Chemscape Chime、MOLDA、Modrast-Pなどがある。しかしこれらのプログラムは簡単に手に入れることができるが、それぞれの研究者の細かい要望に対応するための変更は簡単にはできない。  そこで我々は、さまざまな研究者の要望に対応した表示方法を付加したり、新たに開発したプログラムとのインターフェースが簡単に取れることを目指して3次元分子表示プログラムを開発してきた。1996年にVisual Basicを、1998年にはFortran と OpenGLを、1999年にはVisual C++とOpenGLを用いた3次元分子表示プログラム1,2,3)を本研究討論会において発表した。今回はさらに表示方法の改良を行った。

2.プログラムの概要
 本プログラムは Visual C++ 言語を用いて作成した。入力データとして利用可能な分子ファイルは PDB形式と MOL形式と XYZ形式の3種類である。他の分子表示プログラムではあまり見られない表示モデルとして、各原子上の電荷の値を表現するモデルと、たんぱく質や核酸の鎖のつながり状態を分かりやすく表示するためモデルを工夫した。

(1)電荷表示: 各原子上の電荷の大きさに応じてカラー表示する。正電荷の場合は赤色、負電荷の場合は青色で表示し電荷量の大きいほど色を濃く表示する。

(2)ペプチド・塩基平面表示: たんぱく質や核酸のような複雑な分子を見やすく表示するために、ペプチド平面と塩基平面を4角形と3角形で表示してその概観を表示する。

3.プログラムの実行結果
 今回作成したプログラムのペプチド・塩基平面表示の例を図1に示す。表示変更操作はメニューバーによって行う。また一部の操作(回転など)はキー操作によっても可能である。 figure
図1.表示モデル

4.参考文献
[1] 中田吉郎、分子動力学計算結果のアニメーション表示、化学ソフトウエア学会年会’96研究討論会、東京、1996年10月
[2] 中田吉郎他、OpenGLを利用した分子表示プログラムの開発、化学ソフトウエア学会年会’98研究討論会、新潟、1998年10月。
[3] 中田吉郎他、OpenGLを利用した分子表示プログラムの開発(2)、化学ソフトウエア学会年会’99研究討論会、国立、1999年10月。

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