演題 インターネット環境を利用したCAIの構築(2)
発表者
(所属)
杉山邦夫・津野孝・中島敬一
(日本大学生産工学部)
連絡先 〒275 千葉県習志野市泉町1-2-1 日本大学生産工学部工業化学科
キーワード NMR, CAI, インターネット
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
HTMLを用いて、インターネット環境で機能するNMR解析演習ためのCAIシステムを試作したところ、この環境下で十分利用が可能であり、有用性が明らかになった。
環境 適応機種名 Macintosh, その他Dos/V, UNIX機などwwwを利用できる機種
OS名 wwwを利用できるOS
ソース言語 HTML
周辺機器
流通形態
  • 未定
  • 具体的方法

    1. はじめに

     インターネットは、現在多くの教育研究機関等で利用可能になっており、各種の環境で利用可能であるNetscapeに代表されるようなwwwに対応するブラウザが広く普及している。この種のブラウザのハイパーメディア的、インタラクティブな特徴は強化されつつあり、プラットホームに依存しない新しいオーサーウエア環境を提供するものと期待される。一方、既に DOS/Vパソコン上で使用するNMR解析演習ためのCAIシステムを構築している。そこで、実際にHTMLを用いて、インターネット環境で機能するNMR解析演習ためのCAIシステムを試作したところ、この環境下で十分利用が可能であり、有用性が明らかになったので報告する。
     インターネット環境利用のCAIの利点としては
    などが挙げられる。
     当学部においても、コンピュータ実習室として、DOS/V機2教室で150台、Mac80台、UNIX端末64台の教室に分かれており、その他学科、研究室さらには自宅(PPP接続)からも利用可能になっている。 インターネット環境を利用するのは非常に効果的であると考えられる。また授業と無関係に利用するのでは無くて、対象学生は、当然科目受講生となると考えられるので、通常は講義期間にDOS/Vパソコンシステムと併用しての利用を想定している。

  • プログラムの概要
  •  Macintoshにwwwサーバを置きシステムの構築を行った。本システムはNMR解析の初心者のために構築したものであり、プロトンNMRについて一次解析可能な場合を前提として、スペクトルから化合物の構造を推定する基礎力を与えようとするものである。このCAIの構成はNMR解析に必要な事項を簡単復習するリンク先と問題解答の部分からなっている。リンク画面数は約60枚あり、順次次ページボタンによりたどることもできるし、メニューからそれぞれの項目に移ることもできる。さらにどこの画面からも、ボタンにより必要な項目の画面に移動できるので問題解答時などにもヒントとして活用できる。ボタンはフレームに置き、スクロール時にも一定の場所にあり、利用者の使用感の統一を図っている。既に構築しているパソコン用のシステムでは、約100問題を用意し、問題解答時にはマウスで構造を入力し、この構造の正誤をシステムが判定するようになっている。今回はブラウザだけで処理を終わらせるために、図のように選択肢からボタンを選んで解答できるようになっている。なおこの解答画面からヒントの画面にリンクできるようになっている。ヒントとしては分子式の他に積分、スピン結合による分裂、化学シフトなどの項目が参照できる。このシステムで用いたNMR図は自作のパソコン用NMRスペクトルシミュレーションシステムを利用して得たBMPファイルをGIFフォーマットに変換して利用した。以上、問題解答のレスポンスも良好で満足すべき結果を得た。

    リンク概念図
    リンク概念図

  • おわりに
  •  現在、本システムはMacintoshをサーバとして十数人程度で学生に試験的に利用させて、順調に機能しているが、学部としてCAIサーバを準備しており、10月20日以降 http://cai.gzc.cit.nihon-u.ac.jp/CAI/CIT/Chemical/ から発信する予定である。将来的には、学生番号等を登録して問題解答の記録を集計するシステムを予定している。また現在学生に利用させているVisual Basicで構築したNMRCAIシステムの一部も Javaの利用などによりインターネット環境で利用できる形にする予定である。