演題 インターネット・ナビゲータによる化学ビデオ教材の開発と試用
発表者
(所属)
吉村 忠与志、◯岩崎 利史、青山 義弘
(福井工業高等専門学校、物質工学科、電子情報工学科)
連絡先 〒916 福井県鯖江市下司町 TEL:0778-62-1111ex458 FAX:0778-62-3415
    福井高専 物質工学科 E-mail :
キーワード HTML type CAL Software, Video Movie, Chemical Experiment
開発意図
適用分野
期待効果
特徴など
 インターネットが教育分野で利用されるようになり、インターネット で利用できる化学教材の需用が高まっている中で、Netscape Navigatorで 読める化学ビデオ教材を開発した。さらに、イントラネットでの利用の 有効性を検討した。
環境 適応機種名 開発は、PowerMacintoshで開発したが、
OS 名 インターネット上で利用可能。
ソース言語 HTMLのテキストファイル
周辺機器 インターネット・ナビゲータ(Netscape Navigator)
流通形態
右のいずれ
かに○をつけ
てください)
  • ○化学ソフトウェア学会の
    無償利用ソフトとする
  • 独自に配布する
  • ソフトハウス、出版社等から市販
  • ソフトの頒布は行わない
  • その他
  • 未定
具体的方法
インターネット上で公開する予定

1.はじめに

 全世界的にインターネット網が張り巡らされて、あらゆる分野において利用が推進されている。教育分野においても、いろいろな活用が試みられている。その中でもWWW(World Wide Web)によるインターネット・ホームページは、利用度が高く、HTML(Hyper Text Mark-up Language)で簡単に作成できることから、その普及には目覚ましいものがある。
 化学教育においても、インターネットを利用する方法が試みられ、本報告でその利用を検討した。本研究では、従来電子出版のできるソフトExpandBook Toolkit (version 1.5)を使って、物理化学実験の事前学習のためにビデオ映像を導入したCAL教材を開発して個々のコンピュータで活用してきた。特に、ビデオ映像を数分のインターバルの実験操作ごとにカットしメモリ上で軽くして、ビデオ教材を利用する利点をすでに報告した。今回は、それをHYMLファイル変換によるインターネット・ブラウザで利用の可能性について基礎的な検討をしたので報告する。

2.HTMLファイルの化学ビデオ教材の開発

 HTMLファイルの化学ビデオ教材を開発することにより、パソコンの機種の違いや、システムの方言による不稼働性のトラブルを一気に解決できる、互換性のある化学教材が開発できるメリットがある。そこで、ExpandBook Toolkitで開発した化学ビデオ教材をHTMLファイルに変換した。化学CAL教材は、事前学習のための物理化学実験のテーマであり、中和熱の測定、電池の起電力、電位差滴定、分配率の4つであり、現在、物性定数の測定を作成中である。これらの化学ビデオ教材の開発は、これからどんどん推進されていくものと思われる。

3.イントラネット(学内)での利用

 HTMLファイルに変換した化学ビデオ教材をスタンドアロン・コンピュータ内で利用している限りにおいては、ビデオ映像ファイルの読み込みにはまったく問題なく、瞬時にページ読み込みが行われて学習者において違和感なく、学習が可能であった。
しかし、ビデオファイルを取り込んだCAL教材は、サーバーコンピュータからのビデオデータの取り込みに時間が数分間かかった。現有パソコン通信性能では、WWWサーバーからのビデオ映像のページ読み込み(HTML: enbed style)には、かなりの無理があり、断念せざるを得なかった。今回は、ビデオ第一画面のペースト(HTML: image style)による画像イメージで最初学習を進める方法を検討し、学習画面の読み込み時間の短縮・即応という成果を得た(図1)。また、イントラネット(学内)での利用においては、全画面のビデオ映像の取り込みという時間を要せず、必要なビデオ映像だけによる学習意欲の向上効果が認められ、有用な方法であった。


図1 ビデオ第一画面のペースト(HTML: image style)による画像イメージのページ