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「コンピュータ化学によるヒューマンプロテクトの実現」を特集するにあたって

豊橋技術科学大学 船津 公人

(2003年9月15日 会告Vol.2, No.3)

環境問題、エネルギー資源問題、食糧問題といった地球規模の課題とともに、わが国においては急速に高齢化社会への対応が求められている。また、国民の意識、価値観は物質的な面から精神的な豊かさを重視する方向に変化しており、潤いのある社会の構築が求められている。「成長」をキーワードにしてすすんできた文明から、「質を重んじる社会」、「価値の創造を価値とする社会」へと文明を転換することが必至となっている。限られた資源、エネルギー、空間の中で人と人、自然と人の共生の論理と倫理に裏打ちされた科学技術システムと社会システムの構築が急務であり、「持続可能な社会」への展望を開く科学技術の果たす役割はますます大きくなっている。物質科学分野においては高度情報化社会を支える高機能性材料(ナノ機能性物質、触媒)の設計、それを創製する技術、人間・環境調和型分析技術および高効率生産プロセス技術の開発、そしてポストゲノムとして生体関連機能物質の解析・設計および創製などが強く求められている。数値実験、コンピュータ・シミュレーション、そして化学・生体関連知識情報処理統合的な活用は、社会的な要請であるこれらの課題にとって不可欠な技術であり、実験先導型から予測先導型へのパラダイム転換と併せてその重要性はますます大きくなっている。これらを強力に支援する分野横断的な研究展開が急務となっている。グリーンケミストリーを志向した環境負荷の低減を実現する機能性分子・材料レベルから物質・エネルギー循環に関わる地域環境情報システム構築に至る異次元間のミクロからマクロまでの包括的かつ学際的なコンピュータ科学技術および情報基盤の構築とその展開が求められている。本特集では、この思想につながる研究に取り組んでいる方々からご投稿頂いた論文を通常と同じ審査システムを経て掲載するものである。

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