モンテカルロ法とR因子法による結晶構造モデル作成プログラム

三浦 裕行*, 菊地 武

北海道大学理学研究科地球惑星科学専攻 〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
*e-mail:

(Received: February 16, 1999 ; Accepted for publication: August 29, 1999 ; Published on Web: October 20, 1999)

 粉末X線回折デ−タをもとに結晶構造を自動的に探索するプログラムを作成し、有効性を確認した。リートベルト法においては計算のもとになる構造モデルをあらかじめ与える必要があり、構造未知の物質に対しては大変困難な作業となる。本プログラムは粉末X線回折デ−タ、格子定数、空間群、組成式、Z数をもとに空間群で決められた対称を満足するように個々の原子を乱数で配置してモデルをつくり、R因子を用いて選別することにより真の構造モデルを探索する。原子位置が収束してきた段階で、探す範囲を得られたモデルの原子位置の近傍に限定することにより全体の計算時間を大きく短縮することが可能である。Pentium-166のパーソナルコンピューターを用いてbrookite (TiO2, Z=8) および forsterite (Mg2SiO4, Z=4) の構造を2日以内で解くことができた。

キーワード: Crystal Structure Analysis, X-ray Powder Diffraction Data, Monte Carlo method, R-factor method, Crystal Structure Model


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